事務所便り

令和4年7月号

2022年 新入社員の意識~東京商工会議所の調査から

 

■ 新入社員が社会人生活で不安に感じること

6月は、4月に入社した新入社員が徐々に職場に馴染み始める時期ではないでしょうか。東京商工会議所は、2022年度新入社員を対象に、就職活動の感想、社会人生活や仕事に対する意識等について調査を実施しています。本調査によれば、社会人生活で不安に感じること(複数回答)として、「仕事と私生活とのバランスが取れるか(55.4%)」、「上司・先輩・同僚とうまくやっていけるか(51.4%)」、「仕事が自分に合っているか(49.7%)」が上位に挙がっています。
入社当初は不安が多いものです。周囲も目を配りながらサポートできるとよいでしょう。

■ 会社を選ぶうえで魅力に感じる企業制度

本調査では、就職する会社を選ぶうえで魅力に感じる企業の制度についても尋ねています(複数回答)。多いものとして「年次有給休暇取得の推進(42.5%)」、「時差出勤・フレックスタイム制勤務41.9%)」、「テレワーク(在宅勤務)(36.1%)」など働き方に関するものが挙がっており、その他、「資格(検定)等の取得支援(39.8%)」、「人材育成体系(研修)の充実(38.8%)」など、スキルアップに関する選択肢も上位に挙がっていることが特筆されます。

■ 新入社員の意識変化

本調査での「今の会社でいつまで働きたいか」という問に、「定年まで」との回答は23.8%だったそうです。これは10年前の調査との比較では、12.4ポイント減少しており、新入社員の意識変化がみてとれる結果となっています。
新入社員の個性や意識は様々ですが、働く人の意識は年々変化しています。企業も今後の人材確保の意味で、自社の状況を見直して、選ばれる企業を目指すことが肝要でしょう。

【東京商工会議所「2022年度新入社員意識調査」】https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1029600

週休3日制度について

■ 政府も導入を後押しする週休3日制度

1週間の休日を3日間にする週休3日制度。社員の育児・介護による離職防止や自己啓発(スキルアップ)時間の確保など、社員が働きやすい環境をつくることは、採用時の制度の魅力アップにもつながります。大手では日本IBM、ヤフー、みずほFG、ユニクロなどが導入しています。
政府も「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針2021、令和3年6月)において「選択的週休3日制度について、育児・介護・ボランティアでの活用、地方兼業での活用などが考えられることから、好事例の収集・提供等により企業における導入を促し、普及を図る。」としています。

◆運用の仕方
運用にあたっては、主に①勤務日が減った分、収入が減る、②出勤日の働く時間が増え収入は同じ、③出勤日の働く時間は変わらず収入は同じ、の3つのパターンがあります。①を採用する企業が多いようです。

◆収入維持が定着のカギ?
転職情報サイト「マイナビ転職」の調べでは、週休3日制の導入について、「仕事量が多いから」「人手不足」などの理由から、約6割が「不可能」と回答しています。また、週休3日制は、勤務日が1日減るのに比例して収入も減る場合は「利用したくない」が8割弱を占めています。年代別では、20代は収入が減っても「利用したい」が(3割弱)とほかの年代より高く、収入よりも休みを優先する割合が高くなる傾向があるようです。
週休3日制を導入するための対策としては、「業務の効率化」や「上層部の意識改革」「人手を増やす」などの回答(自由回答)が上がっており、生産性向上と人手不足の解消がポイントになるようです。

【マイナビ転職「週休3日制の意識調査」】https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/09

弊所よりひと言

皆様の会社ではBCPについて検討していますか?
BCPとは、事業継続計画で(business continuity planning)の略です。
災害などの緊急事態に損害を最小限に抑え、事業の継続や早期復旧を図るためにBCPを策定しておく必要が企業にとっては非常に重要です。
弊所でも改めて考えてみたところ、一番重要な資産は「情報」です。顧客従業員の人事情報、給与情報、会社の就業規則などです。現在では、情報はほとんど紙媒体ではなく、データとして管理しておりますので、「データ喪失」が一番の危機ではないかと思います。昨今では、データが重要な資産である会社が多いのではないでしょうか。
ウィルスやランサムウェアから情報を守ることやデータを喪失しないようバックアップを取り、なおかつ漏洩しないようにすることも必要です。一方で、普段の業務効率を下げない方法を模索することも求められます。
先日、情報関連のセミナーで学んだこと。「データ保護戦略3-2-1」という考え方を紹介します。
・データは少なくともコピーを3つ取ること
・これらのコピーを2種類の異なるメディアに保存
・少なくとも1つのコピーをオフサイトに保存
皆様の会社ではデータ保護や喪失防止対策はどの程度できていますか。改めて災害、ウィルスなどに対応できるのか考えて、今後の戦略を検討してみてはいかがでしょうか。

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