最近では、パワハラという文字が頭をよぎり、「それは前に言っただろ!」と頭ごなしに怒るという場面は少なくなっているかもしれません。職場のルールが徹底しないのは従業員が怠慢なのでしょうか? その原因は、ルールの伝え方にあるかもしれません。
まず、そもそも次のようなことをした上でルールを伝えているか、振り返ってみる必要があります。
そして、伝え方も、次のような点を意識する必要があります。
また、出社している従業員にもテレワーク中の社員にも確実に伝えようと、ビジネスチャットツール(Teamsなど)を使用する場合もあるでしょう。そこでの書き方でも一工夫必要です。単に文章として書いておけばよいのではなく、後から検索しやすいように、件名を付ける、キーワードとなる言葉(検索しやすい言葉)を盛り込む、読みやすい文字数に抑え、基となる資料がある場所のアドレスを貼る等をすると、使いやすいでしょう。
なお、チャットツール上に書かれているだけでは不足です。口頭での説明、繰り返し伝えること等と併せて行うことで効果が高まります。
職場のルールや規程は作っただけでは意味がありません。従業員がきちんと認識し、それに従って行動しようと思えるような伝え方が重要です。
「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」が第204回国会で可決・成立し、6月11日に公布されています。以下で、主な改正事項をご紹介します。
傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガの療養のために休業するときで、一定の要件に該当した場合に支給されるもので、支給期間は、支給が開始された日から最長1年6カ月です。これは、1年6カ月分支給されるということではなく、1年6カ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合でも、復帰期間も含めて1年6カ月に算入されます。支給開始後1年6カ月を超えた場合は、仕事に就くことができない場合であっても、傷病手当金は支給されません。
今回の改正は、出勤に伴い不支給となった期間がある場合、その分の期間を延長して支給を受けられるように、支給期間の通算化を行うというものです(支給を始めた日から通算して1年6カ月支給)。がん治療などで入退院を繰り返すなど、長期間にわたり療養のための休暇をとりながら働くケースなどがあることから、改正になりました。
任意継続被保険者制度は、健康保険の被保険者が、退職した後も選択によって引き続き最大2年間、退職前に加入していた健康保険の被保険者になることができる制度です。
保険料は全額被保険者負担(事業主負担なし)で、従前の標準報酬月額または、当該保険者の全被保険者の平均の標準報酬月額のうち、いずれか低い額に保険料率を乗じた額を負担します。任意継続被保険者となった日から2年を経過したときや、保険料を納付期日までに納付しなかったとき、就職して健康保険などの被保険者資格を取得したとき、後期高齢者医療の被保険者資格を取得したとき、被保険者が死亡したときのいずれかに該当するときは、被保険者の資格を喪失します。
今回の改正は、任意継続被保険者の保険料の算定基礎の見直しや(健康保険組合が規約に定めた場合は、当該保険者の全被保険者の平均の標準報酬月額より従前の標準報酬月額が高い任意継続被保険者については、従前の標準報酬月額を保険料の算定基礎とすることができるようになる)、被保険者からの申請による資格喪失を可能とするというものです。
育児休業中の社会保険の保険料免除は、現在、月の末日時点で育児休業をしている場合に、当該月の保険料(賞与保険料含む)が免除される仕組みです。そのため例えば、月中に2週間の育休を取得したとしても、休業期間に月の末日を含まなければ免除の対象にはなりません。
今回の改正は、短期の育児休業の取得に対応して、育児休業期間に月末を含まない場合でも、月内に2週間以上の育児休業を取得した場合には当該月の保険料を免除するとともに、賞与に係る保険料については1カ月を超える育児休業を取得している場合に限り免除の対象とするというものです。
毎年10月をめどに、全国の地域別最低賃金額が改定されます。令和3年度の改定額の目安はすでにメディア報道でとり上げていた通り、厚生労働省の中央最低賃金審議会が全国一律で28円という答申取りまとめ、公表しました。
今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態 調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長により地域別最低賃金額が決定されます。
今年度の目安が示した引上げ額の全国加重平均は28円となり、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となり、また、引上げ率に換算すると3.1%になります。
過去最高額の引上げとなり、人件費の増加や、所得税や社会保険におけるいわゆる扶養の壁の額を意識してパートタイマー等が労働時間を減らすことへも影響してきます。正式な額は都道府県労働局の地域別最低賃金審議会を経て決定します。今後の情報に着目しましょう。
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