行政手続における押印の見直しを受け、「労働基準法施行規則等の一部を改正する省令案」のパブリックコメントによる意見募集が、令和2年10月9日から開始されました(意見募集の締切りは令和2年11月7日)。
労働基準法および最低賃金法の規定に基づき、使用者に提出が求められている届出等について、規制改革実施計画(令和2年7月17日閣議決定)等において、行政手続における押印の見直しが明記されたことを踏まえ、これら届出等に際し、使用者および労働者の押印、または署名を求めないこととするというものです。
令和2年7月17日に閣議決定された規制改革実施計画のデジタルガバメント分野における新たな取組みとして、「行政手続における書面規制・押印、対面規制の抜本的な見直し」が掲げられ、「各府省は、……原則として全ての見直し対象手続について、恒久的な制度的対応として、年内に、規制改革推進会議が提示する基準に照らして順次、必要な検討を行い、法令、告示、通達等の改正やオンライン化を行う。」ことが明記されました。
労働基準法施行規則、事業附属寄宿舎規程、年少者労働基準規則および建設業附属寄宿舎規程ならびに最低賃金法施行規則において、法令上押印等を求めないこととするとともに、労働基準監督署長等への届出等の際に押印等を求めている省令様式について押印欄を削除します。
押印等を求めている省令様式のうち、36協定届など、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者の記載のあるものについては、労働組合の記名がされている場合には事業場の労働者の過半数で組織されている旨を、過半数代表者の記名がされている場合には事業場の労働者の過半数を代表している旨および当該過半数代表者が労働基準法施行規則6条の2第1項各号(※)のいずれにも該当する者である旨のチェックボックスを設けることとするほか、所要の改正を行います。
令和3年4月1日予定(公布日は令和2年12月中旬予定)となっています。
今年になって、新型コロナウイルスへの対応として、初めてテレワークを導入したという企業も多いところです。総務省が今年の7~8月に従業員10名以上の3万社に実施した調査でも、回答数5,433のうちテレワーク実施企業は1,569となっています。
ただ、急場しのぎで始めた企業も多く、テレワークに必要な機材やセキュリティ体制も整わないまま実施している企業も多いのではないでしょうか。実際に、同調査でも、テレワークの導入にあたっての課題として「テレワークに必要な機器の整備」(54.3%)、「セキュリティ確保」(43.1%)が挙がっています。
本調査によれば、「情報セキュリティに関する明確な担当者は存在しない」とする企業が2割もみられました。また、情報セキュリティの管理体制等に関する対策の実施状況として、「情報セキュリティポリシーの策定」(34.1%)、「定期的なセキュリティ教育・啓発活動」(32.9%)、「社内情報の重要度レベルによるファイル等へのアクセス制限」(28.9%)が挙がっています。いずれも3割程度にとどまっており、対策が十分でない企業がまだ多いことがわかります。
本調査では、「各種サイバー攻撃に関する対策の実施状況」として、「セキュリティ対策ソフト(ウイルス対策ソフト等)が常に最新になるように指示・設定をしている」(64.4%)、「OSやソフトウェアについて最新の状態となるようアップデートを指示・設定をしている」(53.6%)、「インターネットと社内のネットワークとの間に、ファイアウォールを設置している」(47.7%)が続きますが、セキュリティ対策ソフトが常に最新になるように指示・設定している企業は約3分の2にとどまっていることがわかります。
最近は、「ランサムウエア」と呼ばれる身代金要求型のウイルスによる被害なども多く報告されています。企業がサイバー攻撃を受け、社内の重要な情報が流出したり、金銭を要求されたりする被害は後を絶ちません。テレワークが普及する中、セキュリティ対策が不十分な企業は、そのような攻撃の格好の餌食となってしまいます。企業としては真剣に対策を検討したいところです。
新型コロナウィルス感染症に関して実施中の助成金の以下の通り延長されます。
令和2年12月31日までとされていた緊急対応機関を、令和3年2月末まで延長
令和2年4月1日から12月31日までの間とされていた対象休業期間を、令和3年2月末まで延長
なお、上記2項目については、感染防止策と社会経済活動の両立が図られる中で、休業者数・失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限り、段階的に縮減を行っていくこととされています。
令和2年2月27日から同年12月31日までの間とされていた対象となる休暇取得の期間を、令和3年2月末まで延長
令和2年12月末までとなっている、事業主が対象となる有給の休暇制度を整備し、労働者に周知する期限について、令和3年1月末まで延長
なお、上記について令和3年1月末までとなっている、対象となる休暇の取得期限については、変更はありません。
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