「嫌われる勇気」を持ちましょう!①
働くひとの悩み
現在、離職理由の「本⾳の1番」は何だと思いますか。
ある求人サイトの調べによるとそれは「何かしらの⼈間関係が解決できない」
という理由です。
新型コロナの状況もあり、たしかに人間関係が原因によるメンタルに関する相談が増えている。
この難解な問題に対する明確な答えのヒントを教えてくれるのが
「嫌われる勇気」で有名なアドラー⼼理学です。
アドラー⼼理学とはアルフレッド・アドラーが創始し、後継者たちが発展させてきた⼼
理学の体系をいいます。
「個人心理学」もしくは「勇気の心理学」とも呼ばれています。
「嫌われる勇気」について
「嫌われる勇気」とは⽴場や考えが異なる「哲⼈」と「⻘年」による対話形式でアドラ
ー⼼理学をわかりやすく学べるビジネス書です。
今もなお、売れ続けて令和3年1⽉現在で200万部(海外も含めると500万部以
上!!)を突破したそうです。
私⾃⾝も数年前に読み、⼤きな影響を受けました。
ビジネスに関する良書が毎年数多く出版される中で
なぜこれだけ多くの働くひとに⽀持されるのか⾃分なりに考えてみました。
全体的な感想は「とても難解で厳しいがどこか暖かく優しい」です。
まず冒頭で哲⼈は
「世界はシンプルであり、誰もが幸福になれる」
と⾔い切ります。
なかなかよくある理想論です。
たしかに「なるほど、その視点で考えたことはなかった!!」
と理解できる部分も多いのですが実⾏するにはあまりに厳しい・・
ある意味、「衝撃体験」でした。
その「衝撃体験」の前半を簡単にご紹介していきます。
衝撃①
「トラウマは存在しない」
■目的論という斬新な発想
アドラー⼼理学では⼀般的な考え⽅である「原因論」を完全否定します。
原因論とは、⼼理学者・精神科医であるジークムント・フロイトによって提唱された
「何か原因があって結果がある」という有名な考え⽅です。
反対に「なにかしらの⽬的があるから今の結果がある」
というのが⽬的論の考え⽅となります。
頭の中は???⾮常の難解です・・。
■ひとは怒りを捏造する
職場の中で考えてみます。
例えば上司が部下を叱る理由は叱られる「原因があるから」と考えることが普通です。
アドラー⼼理学ではそれを否定し、原因があるからではなく、「⽬的がある」から叱る
という考え⽅となります。
例えば相⼿を⽀配するという⽬的です。
⼦供を叱るときでも同じことが⾔えると思います。
いうことを聞かせる⼀番てっとり早い⽅法はどなりつけて怖さによって⽀配する⽅法で
す。
極端になると暴⼒による虐待と繋がります。
私⾃⾝も少しいらいらしているときはいたずらした子供に対して
ついつい声が⼤きくなってしまうことがあります。
数ある⽅法の中でなぜその⾏動を選択するのかを考えると
「自分より弱い立場にいる相手を⼀番楽に⽀配したいという⽬的」があるからどなりつけることになります。
そう⾔われるとたしかにいたずらが原因だけではないような気もしてきます。
個⼈的な解釈としては
⼦供のころ虐待を受けていたから⾃分の⼦供を虐待してしまう
若⼿のころ厳しい指導に耐えてきたから後輩にも同じように接してしまう
そういう過去を⾔い訳にして被害者意識を持って⾏動してしまっているだけ
にすぎないと気付かされるかもしれません。
逆を言えば⽬的をかえることで⾏動を選択できるといえるのでないでしょうか。
■現状を変えたくない!がトラウマの目的
「現状を変えられないという悩みは「現状を変えたくないという⽬的」のためであり、
自分自身が変わらないでいられる理由を探しているだけ。
勇気をもってその⽬的を変えることができれば
事実として変わらない過去(トラウマ)に囚われなくなくなるよ!」
そういう理屈です。
なんとなくわかる気もするけど実際は難解だと思いませんか・・??
ただ現在の60代、40代、20代それぞれの価値感は⼤きく異なります。
この考え方を職場の中で実践できれば相⼿に合わせた対応を選択できるということです。
■「これからどうするか?」に意識を集中すること
⼤切なことは「これからどうするか」であり、
過去の経験やトラウマがあるというのは⾔い訳に過ぎず、
あなたのこれからの⾏動に何も影響しないですよというとても厳しさを感じます。
衝撃②
「⼈間のすべての悩みは対⼈関係である」
■「悩みを消し去るには宇宙のなかでただひとりで⽣きるしかない」
哲人はそう躊躇なく断⾔します。
⻘年と同じく私も「ほかにも⾊々悩みはあるのではないか・・??」
と疑問を持ちながら読み進めていくことになります。
■自分のことを好きになれない
⾃分をあまり好きになれないと悩むひとは多いです、
実はそれも⾃分⾃⾝が自分を好きにならないことを望んでいるからだといいます。
また頭の中が「どういうこと??」です。
ではなぜか?
他者から嫌われ、対⼈関係のなかで傷つくことを過剰に恐れているからです。
また??です。
つまり⾃分を好きにならない⽬的は上司、同僚、部下のような「⼈間関係で傷つかないこと」となります。
例えば、職場ではとても⾃信がなく、⾔いたいことも⾔えないようひとでも
家族の前では別⼈のようにふるまうひとがいます。
家族との関係の中では傷つく⼼配がない、つまり「傷つかないこと」が
⽬的となっていないと解釈してみるとなんとなく腑に落ちました。
⾃分⾃⾝も「⼈⾒知りなんでー」とよく予防線をはっていることに気付いたりしてしま
いました。
■劣等感、いわゆるコンプレックスも否定
劣等感やコンプレックスは客観的な事実ではなく⾃分⾃⾝が勝⼿に⽣み出している主観的なものであるといいます。
ただ例外なく⾃分⾃⾝も劣等感の塊のような時期がありました。
あのひとと⽐べて⾃分は・・と落ち込むことは誰にでもあると思います。
理屈はわかるけどそういう思考になるには訓練が必要いるな・・・と厳しさを感じます。
また周りにもいませんか、直接的に、遠回しにやたらと常に⾃慢するひとです。
いかに自分の能力が高いかやいかに幸せであるかだけではなく、不幸自慢も含まれます。
寝ていないことの自慢
忙しい自慢・・
自分は馬鹿自慢・・
そういうひとも⼤きな劣等感を抱えている可能性が⾼いです。
「すごいですね!」「大変ですね・・」「そんなことないよ」と他⼈から関心が寄せられる安⼼感に⼤きな意識が向いている状態です。
自分自身もそういうときあるな~と気づかされました。
■人生は誰かとの競争ではない
なにがいいたいのかというと、⼈⽣を誰かと競争していてはいつまでたっても幸せにな
れないよということです。
「健全な劣等感」とは過去の⾃分でも他者でもなく、「理想の⾃分」との⽐較から⽣まれるも」という考え⽅です。
この箇所を読んだとき努力の方向性が明確にできるような気がしました。
■理想の⾃分に近づくための「⼈⽣のタスク」
前提として理想の自分を言葉にできるひとはどれくらいいるでしょうか。
経営者の方であれば理想としている会社像を言葉にできていますでしょうか
おそらくほとんどのひとにとってあいまいなイメージではないでしょうか。
まずは「理想の自分」を言葉にできるほど自己分析してみることがスタートラインになるような気がします。
そして理想の自分に近づくための「⼈⽣のタスク」
それを乗り越えるための⽬標は次の4つです。
・⾃⽴すること
・社会と調和すること
・わたしには能⼒があるという意識をもつこと
・⼈々はわたしの仲間であるという意識をもつこと
この⽬標を達成するためには「勇気」が必要だといいます。
ある意味「嫌われる勇気」です。
次回は衝撃体験後半ということでこの「嫌われる勇気」をもつ⽅法をご紹介します。
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