退職願と退職届の違いとは?
退職願と退職届の違いとは?
会社を自己都合で辞める際に提出する書類として「退職願」または「退職届」がありますが、その違いについてご存じでしょうか。
また「辞表をたたきつけて辞めてやる」のような場面がよくありますがこの「辞表」とは公務員や役員のような役職のあるひとが自らその地位を辞する場合に提出する書類となります。雇用契約を終了させるものではありません。
■退職願とは
退職願とはその名の通り、「退職を願い出る」ということです。お願いするということは会社の承諾があって初めて退職となるのです。法律的なことをいえば民法にて「期間の定めのない労働契約は退職を申し入れてから2週間後に終了する」とありますので、退職の意思を示して2週間を経過すれば退職は可能となります。
ただし就業規則にて「退職は1カ月以上前に申し出ること」等の規定があれば引き継ぎ等を行う意味でも、円満に退職するためにも規定に従うほうがいいでしょう。
■退職届とは
「退職をします」という強い意志であり、会社の意思は関係ありません。
また解雇や会社都合による退職など退職が確定した段階で提出する書類となります。
では労働者側から退職する場合このふたつの書類の大きな違いとはなにか
それは、
「退職の意思を撤回できるかどうか」
感情的に「退職願」を出してしまったものの冷静になってやっぱり辞めたくない!という場合もあるでしょう。そういった場合、人事部長など退職の意思を承認する権限のある者が退職願を直接受理する場合等は承認の意思が認められたとして撤回はできないと判断された判例がありますが場合によっては撤回を認められている判例もあり、撤回可能なタイミングとしてはケースバイケースとなるでしょう。
逆に「退職届」を提出してしまうとそうはいきません。受理されてしまった時点で退職が決定してしまいます。
どうしても会社を辞めるわけにはいかない!という場合にはこの一文字の違いが大きな影響を与えるかもしれません。
——————————————————————————-岡本 芳幸
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