コラム

Column

2019.12.09

パワーハラスメントの対策は事業主の義務となります!~①パワーハラスメントの定義について~

今年須磨の小学校で起きた先輩・同僚からのパワーハラスメント(以下パワハラ)が大きな問題となり、連日ニュースでも取り上げられていたことは記憶に新しいと思います。このようなパワハラのニュースを目にする機会が増えることで、「もしかして今自分が受けているのはパワハラなのではないか?」と労働者自身が考えるきっかけにもなり、今後パワハラに関する相談がますます増える可能性があります。実際に都道府県労働局等に設置した総合労働相談コーナーでの相談内容のトップは「いじめ・嫌がらせ」で年々増加傾向にあります。
さらに労働施策総合推進法の改正により、来年以降パワーハラスメント対策が事業主の義務となります。施行日は大企業が令和2年6月1日予定、中小企業は令和4年3月31日までは努力義務ですが、早めにパワハラの防止策や対応策について決めておくことが重要かと思われます。
まず初めにパワハラとはどのような行為が当てはまるのでしょうか?
今回の法制化により明確な定義ができ、下記の3つの要素に当てはまるものをパワハラと呼びます。
⑴職場において優越的な関係を背景とした
⑵業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動で
⑶労働者の就業環境が害されるもの(身体的または精神的苦痛を与えるもの)

⑴の「職場」とは業務を遂行する場所であって、通常就業している場所以外の場所であっても労働者が業務を遂行する場所は職場として扱います。また「優越的な関係を背景とした」とありますが、必ずしも上司から部下へのみに限定したものではありません。例えば業務上の必要な知識や豊富な経験をもつ部下や同僚の言動、もしくは同僚や部下の集団による行為についても、抵抗または拒絶をすることが難しい場合は優越的な関係に当てはまります。
⑵の業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動とあるので、業務上の適正な範囲内の指導についてはパワハラには当たりません。労働者の行為に関して指導や注意をするだけでなく、人格を否定するような言動を含んだ指導はパワハラと判断される可能性が高いです。
⑶の労働者の就業環境が害されるものの判断にあたっては、「平均的な労働者の感じ方」、同様の状況で社会一般の労働者の多くが就業環境を害されると感じる言動であるかどうかが基準となります。ただ個人差があることも考慮し、当事者である労働者の主観にも配慮する必要があります。
パワハラの防止策としてまず初めにどういった行為がパワハラに当てはまるのか考える機会を作り、パワハラの具体例を社内に周知し、パワハラについての認識を共有することから始めていきましょう。
                           特定社会保険労務士 藤川 恭子

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