コラム

Column

2017.12.14

働き方改革法案~2019年4月施行を目指す~

2019年4月に政府が施行を目指す働き方改革法案の目的は「一億総活躍社会の実現」つまり女性、高齢者、障害のある方や難病の方がそれぞれに合った働き方を実現するということになります。ではなぜそういった働き方改革を行う必要があるのかその先になにを目指しているかを考えます。

■労働力人口の減少
長時間労働での過労死問題などの解決も重要な問題として取り上げられますが大きな目的として労働力人口の減少に対してどう対応するかにあります。総務省「労働力調査年報(2016年)」によると現在の日本の労働力人口は約6,600万人であるが2065年には4,000万人弱と約4割減少すると推定しています。
この問題の解決策は大きく分けてふたつあります。
①労働力人口自体を増やす
・ 移民を受け入れること※まだまだ課題は多い。
・ 女性、高齢者、障害のある方等が働くことができる環境を作る、つまり企業は多様な働き方をどう提示できるか。
②労働生産性を上げる
現在、日本の労働生性は先進国の中で最低レベルだと言われています。労働生産性の低さを長時間労働等で補っていることが実情です。

■働き方改革法案のポイント
働き方改革法案における大きなポイントとして残業時間に上限を設置、年次有給休暇の義務付けがあります。日本の長時間労働といった働き方が先に書いた①、②に対する大きな阻害要因として考えられています。例えば男性の家庭参加の促進は育児、介護を補い女性のキャリア形成の助けとなります。労働時間の抑制を図ることで労働生産性の向上について施策を講ずるしかない状況をつくることにつながると考えています。

■労働力人口が減少しても働くことができない人が増える?
オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授によるとAIの進歩により米国の総雇用者総数のうち約47%の人の仕事がPCに取って代わられる可能性が高いと予測しています。日本も例外ではなく野村総合研究所が同じような報告をしています。
つまり、労働力人口が減るからといって簡単に仕事があるわけではないことになります。

■人生100年時代
近年、人生100年時代と言われていますが優秀な高齢者であれば需要は高まりますし反対に若くても能力がない人には仕事はないということになります。2018年予算では「人材育成を後押するための社会人の学び直しの推進」等キャリア形成に重点を置いていることにもその考え方が伺えます。超高齢化社会を迎える日本では年金の問題や健康年齢の上昇などにより確実に労働力の適応年齢は上がると思います。結果として生涯においての労働年数はこれまでよりも長くなり、これまでのように60歳で定年という時代は終わりつつあります。学びの時間をどう作り今後のキャリアを考えるかについても大きなポイントではないでしょうか。

■最後に・・
最近M&Aの業界が活況を迎えているそうです。後継者不足が大きな要因のひとつですが、現在のビジネスモデルがAI時代についていけないと悲観して会社の売却を検討する事案も最近は多くなっているようです。会社も労働者も既存の仕組みや能力にとらわれず柔軟に対応していく術を考え実行していく必要があります。
埋もれてしまう能力を掘り起こし生産性向上を担う労働力強化をはかることが働き方改革法案の大きな目的だと思います。

                                        社会保険労務士 岡本芳幸
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