コラム

Column

2016.11.30

持ち帰り仕事に賃金は必要??

■長時間労働問題
昨今、長時間労働問題がクローズアップされ、頭を悩まされている経営者は多いと思います。解決策として会社のトップがまず真剣に取り組むことが大前提となってきます。つまり現在の業務を根本から見直すということです。
有効とされる対策のひとつに「22時以降は完全に消灯する」等により強制的に会社をしめることがあります。個人的には効果があると思います。時間制限があることで自然に無駄がなくなり効率よく業務を回すようになるからです。・・ただし業務量は変わらない、業務の効率化も進んでいない、そういった場合どこかにしわ寄せがくることも考えられます。

■労働時間とは
労働時間とは「使用者の指揮命令下に置かれている時間」となります。具体的にどういった時間かについては次の5つの要件を満たすことが前提となり、そのうえで業務をしている時間が労働時間として考えられます。
①「どこで業務や作業等の行為を行うか」という一定の場所的な拘束下にあること。
②「いつ行うか」という一定の時間的な拘束下にあること。
③「どのような態度、姿勢等で行うか」という一定の態度ないし行動上の拘束下にあること。
④「どんな行為をどのような方法、手順でどのようにして行うか」という一定の業務の内容ないし遂行方法上の拘束下にあること。
⑤「上司の監督下や含む支配下に行う必要があるか、自己の自由任意で行っているのか、それを行わないと賃金・賞与上の不利益取り扱いがなされるか等」の一定の労務指揮権に基づくないし監督的な拘束下にあること。
(安西愈弁護士の著書「新しい労使関係のための労働時間・休日・休暇の法律実務」引用)

■持ち帰り仕事について
そこで持ち帰りした仕事の時間は労働時間になるのかについて考えたいと思います。
単純に上記の要件を満たすかどうかを検討するとわかりやすいでしょう。家でする仕事には基本的になんの拘束下にも置かれないと考えられますので一部例外を除いて労働時間ではないと判断される可能性が高いかと思います。
 つまり、労働時間でないのであれば賃金も払う必要がないことになります。ただし同じ仕事をしても残業代が支払われないことにもなります。

会社の姿勢をまずわかりやすく示すことはもちろん大切であり、また効果的であるかと思いますが業務量が変わらず有効な対策もなく残業だけを制限することは隠れた長時間労働を生むだけでなく残業代として支払われないという不満にもつながることになりますのでご注意を。
                                        社会保険労務士 岡本芳幸
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