コラム

Column

2016.09.16

完全歩合制は違法か??

「できれば給与体系を完全歩合制に変更したい」というご相談を受けることがあります。
経営者の本音とすれば個人の成果に応じて給与を決定したいと考えるのはごく自然なことだと思います。ですが雇用契約における賃金とはそもそも「成果」ではなく「時間」に対して支払うものであるとの認識が必要となります。
では早速この制度の可否について考えてみたいと思います。

■賃金の保障
①最低賃金法第1条により賃金の最低額を保障すること
②労働基準法第27条により出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障すること

まず上記①により成果がまったくない状況でも当然のごとく「労働時間」に対して最低賃金以上を払うことが必要となります。つまり完全歩合制は『違法』ということになります。さらに上記②により一定額を保障すべきとしています。

■『完全歩合制』を有効とするには
①『最低賃金』を上回ることが絶対条件
②『一定額の賃金の保障』すること
通達等により以下の基準となります。※法律による明確な基準はありません。
・少なくとも「平均賃金」の6割程度を保障することが妥当
・特にドライバーは、平均賃金ではなく「通常の賃金」の6割以上とすること

■結論
まず労働者の生活保障をすることが大切であるという考え方が大前提としてあります。

仕事量の浮き沈みがあり、保障給もない会社が「完全歩合制」を導入することは現在の諸法令では「違法」となってしまう可能性が高いことに変わりはありません。仮に要件をクリアした賃金制度を規定し、その賃金制度を『完全歩合制』と呼ぶことについては問題ないと思われますが、結局のところ『制限付きの完全歩合制』となりますのでくれぐれもご注意を。。
                                       社会保険労務士 岡本 芳幸
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